ZOOCAMPまであと1週間となりました。今回は開催に至った経緯や企画に込められたお話を少し。
静岡市には「日本平動物園」という市営の動物園があります。
今から50年前、1969年に開園し、2007年から2014年には園全体のリニューアルを行い、「猛獣館299」「フライングメガドーム」などが生まれました。
入場料は一般610円、小・中学生150円。
市街地からも車で20分程、園内は狭くもなく広すぎることもなくちょうど良い感じ。
自分もよちよち歩きの幼いころから通っていて、小学生の頃には飼育員体験をしたり、大人になってからもデートで歩いてみたり。とても馴染みのある思い出の詰まった場所です。
そんな動物園から、日本平夜市スタッフに「動物園で一緒に新しいコトやりませんか。」とのお声掛けをいただきました。
その名も、「見方がちがう動物園」NEWデザインプロジェクト
目的は、日本平動物園の「魅力向上」と「集客強化」ということでした。
そこで私たちが提案したのは、爬虫類館が移動してから来園者の導線から外れてしまった「不思議の森の城エリアの活用」でした。
このエリアに行くには遊歩道を登るかオートチェアに揺られて上がっていくのですが、そこには、とても見晴らしの良い展望広場が広がっています。
青い芝生広場の眼下には静岡の街並みが、日が暮れれば眼前いっぱいに夜景が広がります。
しかし、いつも人はまばら。
こんなに気持ちの良い場所はみんなで使わないともったいない!
ここで何か出来ないだろうか。
動物園の魅力が向上し、動物園の集客強化に繋がるような。
そこで初めに出てきたキーワードは「グランピング」
この芝生広場にラグジュアリーな家具を並べて優雅な時間を過ごすのも良いよね。と。
それならテントを張って泊まってみたいね。
夜中や明け方には動物の声が聞こえるんじゃないの?
夜には大きなスクリーンに映画を映して大迫力で流そうよ!
マルシェに、グランピングに、キャンプに、野外上映!!
盛りだくさんの内容で企画書を提出。
動物園担当者の反応は、、、、
「いいじゃん、面白いね。全部やっちゃおう!」
なんと話のわかる人。
そして打ち合わせは進み、
スタッフでプレキャンプをすることになりました。
やっぱり最高に気持ちのいい場所。
景色は良いし、風は気持ち良い。
夜には目の前に拡がる夜景。
そして、プレキャンプでは動物園スタッフも数人参加してくれて、色々な話を聞けました。
焚き火を囲み、動物園について、環境について、動物園の在り方について。
動物園で働いていると、ふと思うことがあるそうです。
「小さな檻に動物たちを閉じ込めて、人間はこんなに夜景を拡げている。」
この話を聞いて、さっきまで見ていた夜景の見え方が変わりました。
そして、僕達スタッフも改めてこのイベントの企画を考える機会になりました。
今回のプロジェクトの目的は、日本平動物園の「魅力向上」と「集客強化」。
日本平動物園の「魅力向上」とはなんだろう?「集客強化」とはなんだろう?
そして動物園の在り方ってなんだろう?
自分の思い出を振り返って見ると、動物園はワクワク・ドキドキしていた場所。
見たこともない動物を見たり、動物と触れ合ったり、家族でお弁当広げてみたり、好きな子とデートしてみたり。
やっぱりレジャー施設としての役割ってすごくあると思う!
だけど、その中で檻の中にいる動物について考えたことってそんなに無かったし、ましてや、動物園に行って自分の生活を見つめ直す事なんてなかった。
動物園の在り方ってなんだろう?
動物園は公共施設である事が多い。
日本平動物園も市営だし、入園料も良心的。きっとそれには理由があって、意味がある。
動物園の歴史は古く、今から200年以上も昔に、ヨーロッパの王族が植民地の珍しい動物を観賞用に集めた私的な施設が始まりだそうです。
そして近代では、単なる見世物ではなく、教育・研究施設としての役割を強く持っている。
という事らしい。
つまり動物園には、レジャー施設の他にも「環境教育の施設」という役割も存分にある。
では今回の企画で僕らに出来ることは何だろう。
小難しい事は苦手だから、参加者には、ワクワクする空間で目一杯楽しんでもらいたい。その中で少しだけ動物のこと環境のことを考えてもらう。
そんな企画にしよう。
今回のテーマは「共生」
動物たちとの共生。
人間だって動物だから、人間同士の共生。
共に生きるということは、どんなことだろう。
そんな要素を今回の企画には散りばめてあります。
マルシェ参加者の方も、キャンプ参加者の方も楽しめる!
そしてちょこっと気付かされるようなそんなイベントになりますように。
最後に、今回のタイトルでもある、日本平動物園のスローガンを。
「動物たちとの出会いが、あしたを変える。」