カメラ担当の久保山です。
僕が初めてkikiさんと出会ったのは、高校3年生の時のこと。地元の大学を志望していた僕に、担任の先生から1枚の新聞記事が渡された。
「土産店活用 アイデア募集」
日本平山頂にある川崎屋で、空きスペースを活用したアイデアを募集しているという内容が、そこには載っていた。
「せっかく先生から新聞を頂いたことだし、行ってみよう」
そう思って、電話をかけ、1週間後に日本平山頂へ。
お店に入って登場されたのが、魔女を名乗るkikiさんだった。
渡された名刺には、ほうきに乗って飛んでいるkikiさんの写真。
「おもしろいな、この人」
その日は、空きスペースの活用やインバウンドについてなど、様々なお話をしてくださった。といっても、印象に残ったのは、話の内容というよりは、とにかく楽しそうに生きるkikiさんの姿だった。
僕自身、写真が好きということで、kikiさんとチャボんの写真を撮り、その日は帰宅した。
それからはというと、当時僕は高3であったため大学受験を控え、惜しくも約10か月もの間、日本平に行くことはできなかった。
春になり河津桜が咲き始めた3月、受験が終わった僕は合格の報告を兼ね、さっそくkikiさんに連絡をした。
「何か僕が力になれることはないか」
その後誘われたのが、日本平夜市だった。
初めて夜市に行ったのは、2017年5月。お昼過ぎくらいに着いた僕は、せっせと動くスタッフの姿を目にした。
しかし、知らない大人が9割を占めていたため、僕は緊張してしまいスタッフの方になかなか声をかけられずにいた。
しかし、もう準備は始まっており、何もしないのでは来た意味がない。
そこで、自分にできることがないかと考えてやったことが、写真を撮ることだった。
その日は、準備の段階から本番が終わるまでずっとカメラを持ち歩き、シャッターを切った。
なぜなら、写真を撮っていた方が人と話す時間も少ないし、そもそも写真は趣味であったため撮影していて楽しかったからだ。
(結局、半日で撮った写真の枚数は1140百枚!?)
しかし、最初に感じた緊張というものは、夜市に行く回数を重ねるうちに消えていった。
なぜかというと、時間が経つごとに夜市の温かさを肌で感じたからだ。
その温かさは以下の通り。
まずは、夜市のスタッフがとても優しいこと。
最年少の僕に、「どこの大学なの?」とか、「大学生って若くていいね」といったように、大人の方々がたくさん話かけて下さった。
時には、ずっと写真をとっている僕に「休んでいいよ」という声もかけてくださった。
(楽しく写真を撮っている時点で、休んでいるようなものだが)
次に、出店者の皆さんがとても明るい。
隙間時間を見つけては、出店者の方は他のお店に行って楽しそうにお話をしている。
また、夜市のメンバーも、お買い物を楽しみながら、出店者さんとの会話を楽しんでいる。
そして、来場者の方々もみんな笑顔なのだ。
子どもと手をつないで歩く方や、いすに座って演奏を楽しみながら食事をする家族の顔は、いつも笑っている。
そう、夜市に来た人はそれぞれの時間をとても満喫しているのだ。
あと、最近はカップルも増えたと思う。
とにかく、日本平夜市ではスタッフも、出展者も、来場者も、みんながその場の雰囲気を楽しんでいる。
だから、ここにいるだけで、僕自身も温かくなる。
夜市に行く回数を重ねるごとにそんな気がして、最初に抱いていた緊張感や心配な気持ちは自然と消えていった。
このごろは、顔見知りの出店者の方もたくさんできて、僕も夜市に集まる方たちとお話することがとても楽しい。
これからも、そんな夜市の温かさを、そのまま写真にしていきたい。
そして、写真を見た人が、「夜市っていいね」と思ってくれたら嬉しい。
以上、そんなこんなで、写真を撮っていたら、知らぬ間にカメラ担当になっていた久保山健太(KK)でした。